社員一人ひとりに多様な働き方の選択肢を! 「働きやすい会社」サイボウズのスゴすぎる働き方改革とは?

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 長時間残業など労働環境の問題に頭を悩ませているのは従業員だけではありません。雇用する側の会社も同じです。働きにくい環境であれば、従業員の離職率が高くなり、会社の業績も下がってしまいます。

 では、「働きやすい会社」とはどのような会社なのでしょうか。インフレ特別手当でも今話題の「サイボウズ」は、かつて離職率28%もありながら、現在は働きやすい会社として高く評価されています。今回はサイボウズ人事本部の恩田志保さんと髙木一史さんに話を聞きました。

深夜残業は当たり前! 離職率28%で変革を決意

 サイボウズは、グループウェア「サイボウズ Office」シリーズなどで知られるソフトウェア開発会社です。従業員数は約800名。これだけの数の従業員が働きながら、離職率は5%(2021年)と非常に低い数字です。

 実際にサイボウズは多様な働き方をかなえるロールモデルとしてさまざまなメディアに取り上げられています。

 しかし、最初から働きやすい会社だったわけではありません。急成長中だった2005年当時の離職率は現在の5.6倍となる28%。日本企業の平均離職率は約14%(2020年、厚生労働省)ですから、かなり悪い部類でした。

2005年のサイボウズの離職率は28%とかなり高かったそうですね。当時の社内の様子はどうでしたか。

人事本部人事労務部 部長・恩田志保さん

 恩田志保さん(人事本部人事労務部 部長) 当時は深夜残業や休日出勤が当たり前で、朝会社に行くと、徹夜した社員たちがソファで仮眠していることもめずらしくありませんでした。社内では「会社をやめる」という会話をよく耳にしましたし、当時の社員にとって「やめる」という選択肢はわりと現実的だったと思います。

 ただ、当時のサイボウズはまだベンチャー企業といわれていた時期で、ベンチャーで働きたい、自分たちが会社を大きくするんだという人が集まっていました。「忙しいのは当たり前」という感覚の人が多かったんだと思います。

とはいえ、ハードワークが常態化すると、やっぱり疲弊して体調を崩しますし、会社をやめるという人も出てきます。残った社員の負担も増してしまったのでは?

 恩田さん そうですね。誰かが続けられなくなってやめれば、残った社員1人当たりの仕事量が増え、さらにハードワークを強いられます。また、誰かが会社をやめてしまうと、その人が培ってきたスキルや経験、知識まで流出してしまうので、それは会社にとって大きな損失です。

 さらに、もうひとつ危機感を覚えたのは、優秀な女性スタッフが出産や育児でフルタイム勤務ができなくなり、辞めざるを得ない状況になってしまうことでした。

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