労働に関する知識のキホンが学べる「労働トラブル相談士」
つまり、すぐに相談しやすい社内で、きちんと相談役として機能する存在が必要だということですね。そのために、須田さんが講師を担当されている「労働トラブル相談士」が有用だと聞きました。

須田美貴さん 本講座は、労働に関する法律についての基礎的な知識が詰まった内容になります。オンラインで受講できるので、仕事の休憩時間や自宅での空き時間などで、自分のペースで進められます。
実は、この資格以外でも労働法や年金、パワハラなどのトラブルについて学べる資格は存在します。ただ、それらの資格は専門学校に2~3年は通う必要があり、学費もかかるため、ハードルがかなり高いんです。だからこそ、誰もが知っておくべき知識を、もっと手軽に学べる場所が必要だと感じ、本講座を創設しました。
この講座では、社内の「相談窓口」を担うときに必要な知識も学べるそうですね。
須田美貴さん 社内でトラブルが起きたときにどう対処すべきか、もし社内で解決しきれない場合でも、どこの機関に相談すればいいかを学べるため、かなり有効だと考えます。
たとえば、会社とのトラブルはすべて労基署に行けば解決すると考えている人も少なくありません。しかし、労基署で取り扱えるのは労働基準法、労災保険法、労働安全衛生法、最低賃金法に関わる案件で、パワハラまでカバーしているわけではないんです。トラブルによって、どこの機関に申告したらいいかを知っているだけで、対応のスムーズさや心理的負担は大きく変わるものです。
また、資格を取得し、“正しい知識がある人”と周囲に印象づけることで、自分自身のトラブルだけでなく、不条理な目に遭った同僚からも頼られる存在になれるはずです。
ただ、労働トラブル相談士は、企業内にて労働トラブルの一般的な予防、ハラスメント相談窓口として相談対応に努めるための資格です。あくまで自身が勤務している会社内にて利用してください。
弁護士資格を持たない者が、自身が勤務している会社外の労働トラブルについて、各種の対応(相談も含む)を行うことは、非弁行為に該当しますので、弁護士資格を持つ人以外は決して行わないよう注意してください。