株式会社イベント・トゥエンティ・ワン(イベント21)は、イベント用品のレンタル・会場設営・企画運営・オンラインイベントなど、イベントをトータルにサポートする企業です。
従業員数は、グループ全体で正社員88名、パート・アルバイトスタッフは54名。会社の年間売り上げは約16億円と順調に成長し、女性が活躍する職場として受賞・表彰されるなど働きやすい職場として高く評価されていました。
ところが、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大が起き、イベント業界は大打撃を受けます。
しかし、イベント21は大幅な売り上げ減が予想されるなか、「社員を解雇しない」と決断。社員を守り、働きやすい環境を維持し続けています。
社員を守り抜く決意と取り組み、そして働きやすさの背景について、イベント21の小杉さん、尾高さんにお話しをうかがいました。
コロナ禍でイベント業界が苦境に。「解雇ゼロ」を決めた理由
2020年に新型コロナウイルスの感染拡大が始まった直後、イベント21代表・中野氏は、全社員に向けチャット上で「絶対に社員を解雇しない」と伝えました。
「絶対に社員を解雇しない」と宣言した背景をお聞かせください。
小杉さん 当時はコロナの先行きが全く見えずイベント業界に大きな影響が出ていたため、弊社の社員も大きな不安を抱えていました。代表の中野は社員が安心して働けるよう、すぐに発信することを決めました。その後も1年弱にわたり、チャット上で社員に現状を伝え続け、より信頼関係を深める取り組みをしました。
イベント業界全体が苦境のなか、勇気のいる決断だったのではないでしょうか。
尾高さん 弊社の経営理念は「you happy, we happy!」です。お客様も会社も、そしてイベントに関わる地域もみんなが幸せになれるビジネスを目指しています。苦しい時だからこそ、社員をしっかり守るという考えが根づいているため、決断できたのだと思います。
また、短期だけではなく常に中長期を見据えるイベント21では、イベントという人と人が繋がるコミュニケーションの場はどんな時代においても、絶対に絶えることのないものと信じ、未来の人財を今から確保する意味でも採用活動も止めませんでした。
コロナ禍によって、売上や社員の待遇などの変化はありましたか?
小杉さん 一時的に大きく売上は落ちましたが、給与カットなど社員にしわ寄せがいくような変化はありませんでした。もちろん減った利益のカバーはしなければいけないので、飛沫感染予防のためのアクリルパーテーションのレンタル、オンラインイベント運営のサポートといった新しいサービスをはじめました。目指しています。苦しい時だからこそ、社員をしっかり守るという考えが根づいているため、決断できたのだと思います。
また、お問合せいただくお客様が成約に至る決定率を向上するために、全社でお客様対応を見直す試みを実施。コンタクトセンターを新たに設立し、決定率を高め、業績の回復を試みました。結果として、2022年8月時点で、売上がコロナ禍前の2019年の9割弱まで戻りました。